「我が国十何万の精神病者は実にこの病を受けたる不幸の外に、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし。精神病者の救済・保護は実に人権問題にして、我が国目下の急務と謂はざるべからず。」 呉 秀三

呉 秀三(くれ しゅうぞう)は、今から百年前の時代に東京大学医学部精神科の教授として、異例の社会的な取り組みを進めた先達者である。彼は精神疾患の人々が「座敷牢」に押し込まれる実情を憂い、その解決のために奔走した。その土台となった報告書『精神病者私宅監置ノ実情及ビ其統計的観察』を1918年に提起し、多方面に働きかけた。それから一世紀の年月が過ぎた今、精神障害者の問題はどうなっているのだろうか?
2017年の「寝屋川市監禁死亡事件」、2018年4月の「兵庫県三田市監禁事件」の報道は、多くの人々に衝撃を与えた。このような課題に一貫して取り組んできた精神医療保健の専門家組織である公益社団法人「日本精神衛生会」と、障害者福祉の土台を支えて40周年を迎える「きょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会)
が提携して製作したのが本作である。

今井友樹監督作品/ナレーション:竹下景子
監修:広瀬徹也(土田病院:特別顧問)