今年の4月より、土田病院の医療相談室に勤務しております新任の相談員の市田です。「精神保健福祉士」と書かれた名札をつけ、「相談員」と名乗り、「ソーシャルワーカー」(または、略して「ワーカー」)などと呼ばれる私たちはよく、「どんなことをする人たちなの?」という疑問を持たれます。ここで、普段何をしているかよくわからない、謎のベールに包まれた相談員の仕事、そしてその中で日々考えることを少しご紹介してみたいと思います。

私たち相談員は、院内では白衣を着て仕事をしていますが、医療職ではなく、福祉職という位置づけになります。患者さんが困っていることが、主に病気によって起こっているものならば、それは医療職の専門領域です。一方、仕事や住まい、お金や家族のこと等、生活に密着した心配事は私たち福祉職の専門領域となります。だからといって、相談員は治療には関わらないということではありません。患者さんやご家族の気持ち、生活状況など、その方を取り巻く環境にトータルに関わらせていただき、より良い治療につなげられるよう、患者さんと医師・看護師、様々な支援者や関係機関の間を行き来するパイプのような役目を担います。また、生活上の悩みの軽減、不安の解消が症状改善につながる場合も多々ありますので、私たちはそのお手伝いをします。

そうした立ち位置で仕事をしていて、常に感じるのは、私の仕事は相談を「受けることというよりも、むしろ相談を「するほうではないかなぁということです。私は、患者さんからお話を伺い、支援を模索していくとき、多方面の専門家に相談し、教わり、意見や助言をいただきながら考え、提案をします。病院内においては、医師、看護師、薬剤師、検査技師、心理士・・・病院外では、役所関係、支援団体、弁護士、母校の先生など・・・本当に様々な専門家と連絡を取り合い、知恵を授かり、「なるほど!」「さすがだ!」と感嘆しながら仕事をしているのです。そして毎度思うのは、タイトルにあります「餅は餅屋」ということです。美味しいケーキや和菓子も、専門店に行かなくてもコンビニで手軽に買えるようになりました。医療・福祉・法律などに関することも、インターネットや書籍、テレビなどの身近な情報源が豊富にありますので、一般の人もある程度は自分で調べられる便利な時代です。ですが、あくまでも「ある程度」と認識すべきです。人間の身体や心、生活、これらは非常に複雑かつ個別的で、教科書通りにいかないことだらけですから、ネットや本に書いてある一般的な情報から安易に判断したり決定したりするのは無理があるわけです。そこで必要なのは、やはりぞれぞれの専門家の実践経験に基づく『知』や『勘』ではないかと思います。コンビニスイーツも美味しいけれど、和菓子屋さんのつきたてのお餅で作った大福などはやはり別格というように。
私は仕事柄、様々な福祉制度などについて調べ、資料を読み込んだりするのですが、どうにもよくわからない、頭に入らないということがあります。そこで関係機関に問い合わせてみると、現場の方から直接説明していただくことでストンと理解できたり、更に、「では、この方面の支援をご協力いただけませんか?」なんてちゃっかりお願いしてみたら、あっさり引き受けてもらえたりします。そんなとき、まさに「やっぱり餅は餅屋。こちらにとっては難しいことでも、あちらにとっては慣れた仕事なのよね。
と気付かされます。

そのようなわけで、何かに困っているとき、自分なりに調べてみる、身近な人に聞いてみるのも良いですが、「難しいなと感じたり、「どうなんだろう?」と悩んだとき、私はやはり専門家の力を借りることをおすすめしたいと思っています。一筋縄ではいかない大変なこともありますが、「ずっと一人で悩んでいたけれど、相談してみたらちょっと先が見えてきた」ということはありますし、わからないことを教わったり、一緒に考えたりできるという支えを得ることが、きっと助けになります。
私自身は一介の新任ソーシャルワーカーで、単体では力不足感は否めませんが、土田病院には腕の良い「餅屋さん」がたくさんいます。そのおかげで、私も堂々として、精一杯仕事に励むことができています。これからも、皆様にとってより話しやすく相談しやすい存在となり、治療に貢献できるよう努力してまいりますので、是非ご相談、ご意見をお寄せください。お待ちしています。

医療相談室
精神保健福祉士 市田恵子